浮気の証拠がない状態でいくら問い詰めても、「考えすぎだろ…」などと言い逃れされてしまうことが一般的です。
裁判で離婚や慰謝料を請求するにしろ、話し合いで浮気を止めさせるにしろ、証拠を確保しておくことは非常に重要だといえるでしょう。
では、どういった証拠が裁判でも認められるのでしょうか。
この記事では、浮気の証拠として認められるものと、あなた自身で証拠を集めるときのポイントを紹介します。
裁判でもつかえる|浮気の証拠になるもの10選
裁判や調停などで証拠として認められるものは、浮気していることが客観的にわかるものであれば、どのようなものであっても構いません。代表的なものとして、以下の10種類が挙げられます。
- 写真・動画
- 浮気を認める書面・録音
- クレジットカード使用履歴・明細
- GPSの移動記録
- メール・LINE・SNSなど
- 探偵の浮気調査報告書
- 子供の血液型
- 住民票
- 妊娠・中絶がわかるもの
- その他
ここでは、それぞれの内容について確認してみましょう。
写真・動画
ラブホテルは一般的に『肉体関係』を持つための場所ですから、出入りしていたり、滞在していたりすることがわかる写真・動画は、浮気の証拠として非常に有力です。
また、見たくないかもしれませんが、性行為中の写真や動画も、浮気の有力な証拠となります。
写真や動画を証拠として押さえる場合には、撮影日時がわかることや、パートナーや浮気相手の顔が判断できるものを集めるようにすることがポイントです。
浮気を認める書面・録音
浮気したことを認める書面や録音なども、裁判で有効な浮気の証拠です。
相手に浮気の事実をしっかりと浮気した事実を認めさせて書面や録音することも有効ですし、夫婦の会話の中で浮気した事実がわかる場合も問題ありません。
ただし、録音する場合には相手に一言ことわりを入れておいたほうがよいでしょう。
詳しくは『自分で浮気の証拠を集めるときのポイント』で解説していますが、あまりにも反社会的な方法で集めた証拠は、裁判では認めてもらえない可能性があるからです。
クレジットカード使用履歴・明細・領収書
ラブホテルを使用したことがわかる、クレジットカード・明細・領収所なども証拠になります。
また、避妊具や異性の下着、肉体関係のために使うものなどの場合でも証拠になるケースがあります。
使用履歴や明細などは、できるだけ多く集めておくとよいでしょう。
GPSの移動記録
ラブホテルや旅館などに滞在したことがわかるGPSの記録も、浮気の証拠として認められる可能性が高いです。
パートナーの持ち物や車・バイクなどの移動手段に取り付けて使用しましょう。
GPSは購入しても構いませんが、近年ではレンタルするという方法もあります。
メール・LINE・SNSなど
肉体関係があったことがわかるメールやLINE、SNSなどのやりとりも浮気の証拠になります。
注意点としては、やり取りの中で肉体関係を持ったことがわかるという点がポイントです。
単なる会話程度といった場合には、証拠として認められない可能性がありますので注意してください。
誰でも1台はスマホを所有している昨今、ラインで浮気が発覚するといったケースもありますね。 浮気の証拠を握っていれば、慰謝料請求や離婚請求ができますし、離婚の条件を決めるときにも有利な立場に立てます。 実は、ラインは浮気の証拠にな[…]
探偵の浮気調査報告書
探偵の浮気報告書は、裁判でも非常に証拠能力の高いものです。
あなた自身で証拠を集める必要もなく、パートナーや浮気相手に証拠集めをしていることが発覚しにくいため、最も集めやすい証拠と言えるかもしれません。
ただし、探偵への依頼は決して安いものではありませんし、悪徳な探偵社も存在しています。
依頼前にはいくつかの探偵社に見積もりを取り、料金や信頼性などをしっかり確かめたうえで依頼するようにしましょう。
子供の血液型
あなたに子供がおり、あなたとパートナーとの血液型を考慮して、遺伝的にあり得ない血液型の子供が生まれた場合にも、浮気の証拠になります。
ただし、血液型だけでは浮気相手がわからず、慰謝料を請求できないケースもあります。その他の証拠で浮気相手を特定することが重要です。
また、血液型を調べる場合には子供が4歳以上になってからにしてください。4歳以下の子供は血液型が変わる可能性があるからです。
住民票
パートナーと別居中である場合、パートナーが浮気相手と同棲していることもあります。
このとき、パートナーと浮気相手の住民票が同一であった場合、浮気の証拠として認められます。
なお、住民票のほかにも、同棲していることがわかるような証拠(同じ部屋に出入りしている写真など)も用意しておいてください。
住民票が同じ場合には、オーナーと賃借人という関係が疑われるからです。
妊娠・中絶がわかるもの
あなたが男性の場合、パートナーの妊娠、中絶がわかる記録も、浮気の証拠になります。
ただし、病院に記録を開示してもらう必要があります。
裁判外では開示してもらえない可能性もありますので、1度弁護士に相談することをおすすめします。
その他
- 友人や知人などの証言
- 浮気がわかる日記や手帳の内容
- 浮気相手からのプレゼント
- 浮気相手へのプレゼントを購入した履歴・領収書
- 浮気したことがわかるSNSの投稿
- スイカ・パスモなどの利用履歴
- ETCの利用履歴
- 乗り換え検索サービスの履歴 など
上記も、浮気の証拠として認められる可能性があります。
ただし、これらの証拠単体では若干弱い可能性があります。
他の証拠を補強するものとしては認められますので、もし発見した場合には保管しておくようにしてください。
浮気の証拠になりにくいもの
ここでは、浮気の証拠になりにくいものを紹介します。
ただし、ここで紹介するものも、他の証拠を補強するものにはなりますので、集めておいて損はありません。
相手の家への出入りがわかるもの
相手の家への出入りがわかる写真や動画は、浮気の証拠として認められない可能性があります。
相手の自宅への出入りは、単なる友人として、もしくは仕事の打ち合わせとして行った可能性が考えられるからです。
電話の発信履歴
浮気相手との発信履歴だけでは、どういった会話をしているわかりませんし、肉体関係を持ったということもはっきりとしません。
必ずその他の証拠を探すようにしてください。
浮気のデート写真
浮気中の仲の良いツーショット写真も、これ単体では浮気の証拠として認められない可能性があります。
これも、デート写真だけでは、肉体関係があったかどうかわからないことが理由です。
浮気を自白させる方法
パートナーがマメな性格で、一切浮気の証拠を残していないといった場合には、なんとかして自白させるしかありません。
自白させるにはいくつかの方法がありますが、ここでは筆者が試した中で最も効果があったものを紹介します。
- 浮気が疑われる日の、朝起きたときから寝るときまでの行動をすべて時系列で列挙してもらう。
- 「本当に浮気していない?」と聞きながら、相手の目を10秒見つめる。
- 浮気が疑われる日の行動を、今度は、寝たときから起きたときまで時系列を逆にして列挙してもらう。
もし、ステップ3のときにしどろもどろになったり、言葉に詰まっている様子があったりした場合には、浮気している可能性が高いといえるでしょう。
浮気していた場合には、嘘を言わなければなりませんが、人はとっさに嘘をついた場合、頭が整理されていない状態になることが多くあります。
「本当に浮気していない?」とプレッシャーを与えられた上で、その日の事実を時系列で逆に列挙する行為は、頭が整理されていないと困難な場合があるのです。
もし、どうしても浮気の証拠が見つからない場合には、この3ステップを試してみてください。
自分で浮気の証拠を集めるときのポイント
裁判も有効な浮気の証拠は、あなた自身でも集めることが可能です。
ただし、3つの注意点があります。
- 複数の証拠を集める
- 継続的に浮気していることがわかるように集める
- 著しく反社会的な方法にならないようにする
➀と②を満たしていない場合には、証拠として認められない可能性があります。
③を行ってしまった場合には、あなたがパートナーや浮気相手に対して損害賠償責任を負う可能性もあるので要注意です。
1つずつ見てみましょう。
複数の証拠を集める
浮気の証拠はたった1つでも認めてもらえる可能性がありますが、できれば複数集めておいた方がよいでしょう。
民事裁判では、提出できる証拠に制限はありませんし、複数の証拠を集めておくことで、浮気の事実が認められやすいからです。
また、どんな些細なものであったとしても、その他の証拠や証言に矛盾しないものであれば、浮気の事実を補強するものとして認めてもらえます。
「こんなものは証拠にならないだろうな…」と勝手に判断せず、どのようなものでも補完しておくようにしてください。
継続的に浮気していることがわかるように集める
ラブホテルへの出入り写真といったように、客観的に『肉体関係』を持っていることが明らかな証拠であっても、1回だけでは浮気の事実を認めてもらえない可能性があります。
そのため、継続的に浮気している事実がわかるように証拠を集めることも重要です。
一定の期間、複数回にわたって浮気していることがわかるように証拠を集めましょう。
著しく反社会的な方法で集めない
著しく反社会的な方法で証拠を集めた場合、裁判では認めてもらえない可能性があります。
具体的には以下のような方法が考えられます。
- 浮気相手の自宅に侵入し、盗聴器やカメラを仕掛ける
- 浮気相手のスマホを窃盗し、データを盗み見る
- 浮気相手を監禁・暴行し、自白を強要する
しかし、浮気の証拠集めは、基本的に『プライバシー権』を侵害しているため違法ですが、通常の方法では集めることが困難です。
そのため、多少の違法性があったとしても、裁判で証拠自体が認められないといったことはありません。
実際の裁判では、勝手に録音・録画した写真や音声データ、許可を取らずに入手した浮気相手とのメール・SNSのやり取りが、証拠として認められることも珍しくないのです。
証拠集めが不安なら弁護士に相談を
どういったものが証拠になるのかあなた自身で判断できない場合には、弁護士に相談しましょう。
弁護士は法律的な知識を豊富に持っていますので、あなたが集めた証拠が有効であるかどうか適切に判断してくれます。
また、弁護士に代理で交渉してもらうことを依頼すれば、裁判を通じずとも、慰謝料請求や離婚に応じてもらえる可能性もあります。
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初回法律相談無料の弁護士も多数掲載していますので、慰謝料請求や離婚を検討している人は、1度参考にしてください。
浮気の証拠を手に入れたいなら探偵に相談を
もし、あなた自身で浮気の証拠を手に入れることが困難な場合には、探偵に相談しましょう。
探偵は、浮気調査のプロフェッショナルです。尾行や張り込みなどの調査で、パートナーの浮気の事実を暴きます。
調査終了後に作成してくれる調査報告書は、前述の通り、裁判でも認められる有力な浮気の証拠です。
調査料金は決して安いものではありませんが、あなた自身で浮気調査をすると、調査がバレるリスクもあります。
調査していることがバレると、証拠を取られまいとして警戒が強くなり、より証拠集めが困難になるといった事態になりかねません。
自分での証拠集めが困難な場合には、探偵への相談をおすすめします。
まとめ
浮気の証拠になるものを最後にまとめておきます。
- 写真・動画
- 浮気を認める書面・録音
- クレジットカード使用履歴・明細
- GPSの移動記録
- メール・LINE・SNSなど
- 探偵の浮気調査報告書
- 子供の血液型
- 住民票
- 妊娠・中絶がわかるもの
また、これらの証拠以外のものでも、浮気の事実を補強するものとして認めてもらえることもありますので、どんな些細なものでも集めておくようにしてください。
証拠集めの注意点としては、著しく反社会的な方法にならないようにすることです。
浮気したパートナーや浮気相手を憎む気持ちはわかりますが、あまりに違法性が高い場合には、証拠が認められない可能性や、あなた自身が損害賠償責任を負うといった事態になりかねません。
適切な方法で証拠を集めて、あなたの主張が認められやすい状況を作りましょう。