婚約者にお金を渡したところ失踪してしまった…
結婚を約束していた相手にお金を貸したら音信不通になった…
こんな被害に頭を悩ませている方は「結婚詐欺」の被害に遭っているのかもしれません。
結婚詐欺師は、まるで「運命の出会い」や「理想の結婚相手」を演出して異性からお金をだまし取る悪質な犯罪者です。
金銭的な被害はもちろんですが、結婚を考えていた相手に裏切られたという精神的なショックは大きく、立ち直るには長い時間がかかってしまいます。
この記事では「結婚詐欺の手口」に注目しながら、古典的な手口から最新の手口まで詳しく解説します。
結婚詐欺の手口
結婚詐欺の目的は「お金をだまし取ること」です。
さまざまな悩みやトラブルをもちかけてきますが、最終的には「お金を出してほしい」という要求に結びつきます。
ところが、この「お金を出してほしい」という理由があまりにもドラマチックで、ときに悲劇的なので、誰もがついだまされてしまうのです。
「親にお金を支払わないと結婚できない」
「親の面倒をみているので親に十分なお金を支払わないと結婚を許してもらえない」といわれると、結婚を希望している身としてはお金を渡してしまうでしょう。
結婚詐欺師としては長々と関係を続けるつもりはないので、月々の負担などではなく「施設の入所に数百万円が必要」や「まとまったお金をわたす必要がある」と大金を要求します。
「借金を完済しないと結婚できない」
多額の借金があると嘘をついたうえで「このまま結婚すると迷惑をかけてしまうので完済したい」とお金をだまし取る手口も存在します。
借金の理由は悲劇的なものが多く、事業主の親が倒産して自分も借金を負った、元彼氏に借金を背負わされたなど、本人に非のないストーリーを騙る特徴があります。
「事業を始めたいので開業資金が要る」
事業家を装って近づき「新しい事業の開業資金が必要なので貸してほしい」と嘘をつく手口も典型的です。
十分な資金をもっているが今は自由に動かせないかのように演出するので「すぐに返してもらえる」と信じてしまいやすいのがこの手口の巧妙なところでしょう。
似た手口として「お金はあるが口座を凍結されている」と嘘をつく方法もあります。
結婚詐欺師の正体|若くて見栄えがいいとは限らない
「結婚詐欺師」ときいて、どんな人物像を想像しますか?
ほとんどの方が、男性ならたくましくて頼りがいのあるイケメンを、女性なら若くて誰もが振り向いてしまうような美女をイメージするでしょう。
ところが、実際の結婚詐欺師は、若くて見栄えがいい人物ばかりではありません。
むしろ、年齢は中高年で、男女ともにお世辞にも美男美女とはいえないような人物が多い傾向があります。
恋愛には多少の見栄えも関係していますが、決め手となるのはフィーリングであったり、優しさであったりするものです。
結婚詐欺師は、この恋愛の傾向を巧みに突いてきます。
こんなときは結婚詐欺を疑うべき
結婚詐欺の被害に遭えば、金銭面でも精神的にもボロボロにされてしまいます。
できれば深刻な被害に遭う前に見破ってしまいたいものです。
結婚詐欺を疑うべき条件を挙げていきましょう。
自宅を教えてくれない
自宅を教えてくれない、自宅にあげてくれない相手は結婚詐欺を警戒しましょう。
もちろん、交際をはじめてすぐの間は自宅にあげてくれなくても疑うほどではありませんが、交際が順調に進んでいるのに自宅にあげてくれなければ、要注意です。
デートの帰りは自宅がわからないような場所で車を降りてしまう、マンションのエントランスで必ず別れるといったケースでは、自宅をごまかしているおそれがあります。
「ホテル住まいだ」とかたる結婚詐欺師も多いので注意しましょう。
仕事の内容や勤務先を教えてくれない
結婚詐欺師は、医者・パイロット・ITベンチャーの社長など、仕事の内容がよくわからなくてもなんとなく「すごいな」「カッコいいな」と思わせるような職業を騙ります。
ところが、一歩踏み込んで「会社名は?」「どこの病院?」といった質問を投げかけてみると、大抵の結婚詐欺師は詳しい情報を教えてくれません。
「◯◯のため」と結婚前に多額を要求する
結婚詐欺師の最終にして究極の目的は「お金」なので、交際が続くと結婚を前にして多額のお金を要求してきます。
相手は詐欺師ですから、容易に見破ることはできません。
もし要求に応える財力があれば、誰でも「愛する結婚相手のため」と喜んでお金を差し出してしまうシナリオが完成されています。
大金を要求されたら、信じたい気持ちを押し殺して真実であることを確かめましょう。
お金が必要な理由の証拠をさりげなく求めてみれば、相手の反応をみることができます。
お金を渡す前に家族や周囲の人にも相談する、それでもお金を渡すなら証拠を残すために借用書を作成するといった対策が必要です。
進化する結婚詐欺の手口|現代型の結婚詐欺
今やめずらしくもない「振り込め詐欺」や「オークション詐欺」も、20年前には存在していなかったように、詐欺の手口は時代とともに進化しています。
結婚詐欺の手口も同様に進化しており、現代型の結婚詐欺では時代の潮流に乗った手口で被害が急増しています。
婚活アプリ・マッチングアプリの活用
旧来、結婚詐欺師がターゲットを探す場所といえば、バーなどの盛り場やテレクラがメインでした。
昔はみずから危険を犯さなければ結婚詐欺の被害に遭わない時代だったのです。
現代では、婚活アプリ・マッチングアプリのほか、出会い系サイトや婚活パーティーなどでターゲットを探す結婚詐欺師が増えています。
真剣に結婚を望む男女が集まりやすい場だからこそ、これらは結婚詐欺師にとって格好の「漁場」と化しているのです。
国際ロマンス詐欺の流行
平成30年あたりからFacebookなどのSNSをきっかけにした「国際ロマンス詐欺」が流行しています。
まず、海外の富豪を装ったアカウントから友達申請を出し、ダイレクトメールでやり取りを重ねながら「あなたが運命の人だ」などと愛の言葉を投げかけて被害者をその気にさせます。
その後、バーチャルな交際が続くなかで「あなたに会いに行きたいが、両替できない海外紙幣しかもっていないので日本円を送ってほしい」などと金銭を要求してきます。
「この人に会いたい」と切望している被害者は、喜んで指定された口座にお金を送金してしまうという寸法です。
発信者のアカウントや送金先の口座が海外にあることが多く、国内の警察では捜査が難航するため、被害が拡大しています。
だまされてお金を送ってしまえば、取り戻すことはまず不可能でしょう。
コロナ禍に乗じた結婚詐欺も
国際ロマンス詐欺と酷似した手口のなかで、海外便のパイロットを装って「新型コロナウイルスの影響で便数が減ってしまった」と嘘をいい、旅費や生活費を要求する手口も確認されています。
結婚詐欺師は、世界的な厄災でさえも「ネタ」としてしまうのです。
結婚詐欺を見抜く方法
結婚詐欺師は、用意周到に嘘を積み重ねてターゲットからお金をだまし取ります。
結婚詐欺を見抜くには「怪しいかも」と感じた時点で第三者に相談することが大切です。
個人で見抜くのは難しい
誰もが「自分は結婚詐欺には遭わない」と思っているでしょう。
しかし、詐欺師は人をだますことで生計を立てている、いわば「だましのプロ」です。
相手の心をつかんで動かす技術に長けており、被害者はだまされているのに喜んでお金を差し出してしまいます。
個人の判断だけで結婚詐欺の被害を見破るのはまず不可能だと考えておきましょう。
警察に相談しても調査はしてくれない
結婚詐欺の被害に遭った場合、警察に被害届を提出して捜査してもらうことになります。
捜査・逮捕の権限は警察をはじめとした捜査機関にしか与えられていないので、この対応は間違いではありません。
ところが、まだ金銭的な被害が発生していない段階で警察に相談しても力になってはもらえません。
「この人、結婚詐欺かも…」と相談しても、素性を調べて教えてくれたり、前科・前歴を開示してくれたりするわけではないのです。
探偵に調査を依頼するのがベスト
「この人の素性を知りたい」「本当の名前や住所、勤務先をしりたい」と感じても、警察は力を貸してくれません。
そんなときに助けてくれるのが、調査のプロである探偵です。
素行調査でプロフィールの信用性を確かめる
探偵に素行調査を依頼すれば、データ調査や尾行・張り込み・聞き込みを駆使して、相手が自称するプロフィールが真実であるのかを調べられます。
結婚詐欺師であれば、素行調査で偽名などの嘘を暴くことができるでしょう。
行動調査で不審な行動を確かめる
対象者の行動を尾行・張り込みなどによって確認し、不審点を探るのが行動調査です。
「週末しか会ってもらえないので週末の行動が気になる」「海外出張だと言っていたが、本当に出張なのか怪しい」といったケースでは、行動調査で真実がわかります。
婚約したら結婚調査をする
結婚を約束した相手であれば、結婚相手として問題はないのかを全般的に探る結婚調査が有効です。
相手の素性だけでなく、家庭環境や生い立ちなども調べられるので、結婚詐欺師であれば間違いなく見破ることができるでしょう。
まとめ
結婚詐欺師の手口は非常に巧妙です。
少々のことでは個人で見破るのは困難なので「怪しい」と感じたら探偵に相談をしましょう。
結婚詐欺であれば正体を暴くことが、誠実な婚約者であれば安全だという太鼓判が得られます。
警察に依頼しても結婚詐欺師の素性を暴いてはくれません。
捜査の秘密として、詳しい素性は教えてもらえないからです。
依頼主のために結婚詐欺師の素性を暴いてくれるのは探偵だけなので、不安や疑問を感じたらすぐに探偵に相談しましょう。