結婚詐欺の相談件数は年を追うごとにどんどん増えてきています。
結婚詐欺と言えば、結婚を前提に付き合うなどと言って近づき、言葉巧みに金銭を騙し取る行為ですが、中には妊娠させられたケースもあることをご存知でしょうか。
妊娠させられることで、さらに深い傷を負ってしまいます。
ここでは、妊娠させて失踪するケースもある結婚詐欺の手口について詳しくご紹介します。
実際に起訴された結婚詐欺の事例
まずは、実際に詐欺罪で起訴された事例をみていきましょう。
『交際相手の女性に「結婚しよう」と嘘を言い、現金185万円をだまし取ったとして、東京都世田谷区の無職、 福地正行 被告(37)が3日、詐欺罪で起訴された。
逮捕した警視庁愛宕署などによると、福地被告はいわゆる「結婚詐欺」の常習者とされる。未遂も含めれば少なくとも全国の20人以上が被害に遭ったとみられる。妊娠させられ中絶を余儀なくされた女性もいるなど悪質さも際立っている。』
【引用:Yahoo!JAPAN】
この事例では、全国で20人以上の女性が被害にあっています。詐欺師は最初から騙すつもりで近づき、罪悪感などは一切なく言葉巧みにお金を騙し取ります。
さらに、妊娠させて姿を消すことから、被害者の今後のことは一切考えていないことがわかります。
このように悪質なケースが少なくないため、結婚を前提に交際を申し込まれたときは、十分に警戒することが大切です。
結婚詐欺の手口と被害に遭うまでの流れ
それでは、結婚詐欺の手口と被害にあうまでの流れを詳しくみていきましょう。
①結婚前提の交際をはじめる
結婚詐欺師は、出会って比較的間もない段階で、結婚前提の交際を申し込むことが特徴です。
結婚詐欺師は、結婚願望が強い女性が集まる婚活パーティーに参加します。また、婚活サイトに登録して、女性からのメッセージを待つケースもあります。
このとき、女性にとって魅力的に見えるように、医師や弁護士、大手企業勤務などと嘘の情報を記載するのです。
年齢確認のために本人確認書類の提出を求められるケースもありますが、勤務先や職種までは確認書類の提出を求められません。
医師限定や年収700万円以上限定をうたったパーティーにおいても、本人確認をしない場合があります。
このような場で早々に結婚前提の交際を申し込まれた場合は警戒が必要です。
②お金を要求する
次のように、言葉巧みに金銭を要求します。
- 会社の経営が大変で倒産しそうだから300万円貸してほしい
- 両親が病気で自費診療の治療が必要だけど100万円足りないんだ
- 結婚式場を予約するから100万円振り込んでほしい
また、会社の経営が傾いている状況では結婚ができない、両親が大変な状況だから結婚できないなどと言い、お金を引き出そうとするケースもあります。
女性としては、「お金を渡さなければ結果的に結婚できなくなる」という心理になり、お金を渡してしまいます。
普段の羽振りの良さから、「すぐに返済してもらえるはず」と錯覚を起こしてしまうのも特徴の1つです。
③失踪する
お金をある程度だまし取ったら、姿を消します。少しずつ会う時間が減っていったり、急に姿を消したりすることが特徴です。
スマホが繋がらなくなったため、聞いていた住所に向かったが以前から誰も住んでいなかったケースもあります。
事前に伝えた情報は全て嘘の情報だと思った方がよいでしょう。結婚詐欺師は、同時に複数の女性から金銭を騙し取るケースもあります。
また、十分にお金を騙し取ったら、次のターゲットを探しに行きます。
④妊娠が発覚することも
妊娠させることで、結婚をより強く意識させるケースもあります。このとき、「責任を取る」などと言いますが、「結婚しよう」とは言っていません。そのため、婚約はしていないとの判断になります。
また、結婚詐欺師は自己中心的な考え方をしているため、避妊具を使用せずに性交に及び、結果的に妊娠させるケースもあります。
この場合、さらにお金を引き出してから姿を消すか、妊娠が発覚した時点で姿を消すでしょう。
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結婚詐欺師に妊娠させられたときにとるべき行動
それでは、結婚詐欺師に妊娠させられたときにとるべき行動について、詳しくみていきましょう。
探偵に行方調査を依頼する
探偵に行方調査を依頼することが大切です。自分だけで結婚詐欺師を探すことは難しいでしょう。
一切の足取りを残さずに失踪するため、やはり人探しのプロである探偵に依頼することが大切です。
探偵であれば、一般人では見逃してしまう小さな手がかりから、結婚詐欺師の居場所を突き止められる可能性があります。
弁護士に相談する
法的措置を検討している場合は、弁護士に相談しましょう。弁護士は法律の専門家のため、詐欺罪が適用されるかどうか判断できます。
ただし、結婚詐欺師の身元がわからなければ損害賠償請求はできないため、探偵に依頼して結婚詐欺師を追うことが必要です。
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カウンセラーに相談する
結婚詐欺師に騙されたことで、心に大きな傷を負うケースもあります。
カウンセラーに相談することで、気持ちが少しだけ軽くなるかもしれません。
実際に、結婚詐欺の被害者をカウンセリングした人物に相談するとよいでしょう。
さまざまな事情を抱える女性をカウンセリングしてきた実績豊富なカウンセラーに相談することが大切です。
警察に相談する
結婚詐欺にあった旨を警察に相談してください。詐欺罪にあたるかどうか、どのような罪に問えるのか、逮捕できる可能性はどれぐらいあるのかなど、さまざまな疑問を解消しておくことが大切です。
多くの被害者がいるケースでは、早急に操作してくれる可能性があります。
結婚詐欺にあわないためのポイント
結婚詐欺師は、結婚願望があり人を信じやすい女性をターゲットにします。
女性としては、信じたい気持ちをどうしても抑え込めず、結果的に被害にあってしまいます。
結婚詐欺かどうか確認したいところですが、相手に「結婚詐欺ではないよね?」などと聞いても、「そうだよ」とは答えません。
次のポイントを押さえて、結婚詐欺の被害を未然に防ぎましょう。
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写真を一緒に撮ることを要求する
まずは、一緒に写真を撮ることを要求してください。結婚詐欺師は、自分の痕跡を残したくないため、データとして半永久的に残る写真を撮りたがりません。
写真が嫌いで撮りたくない方もいますが、写真を撮ることを拒否された場合は警戒した方がよいでしょう。
家族に会いたい旨を伝える
両親がいることを聞いていた場合は、両親に会いたい旨を伝えましょう。
「海外に住んでいる」など、何かと理由をつけて会わせようとしない場合は、結婚詐欺を疑った方がよいかもしれません。
一般的に、結婚する際には両家の両親に挨拶をするため、拒否されるのであれば結婚する気がないと考えられます。
また、すでに結婚しているため、両親に会わせることができない可能性もあります。
勤務先を確認する
結婚詐欺師は、一流企業や医師、弁護士など、一般的に高収入とされるプロフィールに偽装します。
そのため、勤務先を確認しても答えてくれません。もしくは、実際には在籍していない会社や病院、法律事務所の名称や住所を伝えてきます。
勤務先に電話をかけて、本当に在籍しているかどうか確認しましょう。
ただし、会社によっては在籍している社員の情報を教えてくれないため、十分に調査できない可能性があります。
免許証の写真を確認する
結婚詐欺師は偽名を使うケースが多いため、本名を確認できる免許証を見せたがりません。
ただし、本名を使っていたり、免許証を偽造したりしている可能性もあります。
免許証の写真を素直に見せたからといって、それだけで結婚詐欺師ではないと判断はできません。
借用書の作成を要求する
お金を貸すときは、借用書の作成を要求しましょう。借用書の作成によって結婚詐欺を防げるわけではありませんが、結婚詐欺師は自分の筆跡が残る書類を作成することに抵抗を覚える可能性があります。
借用書の作成を拒否されたり、「私を信用できないのか」などと言われたりした場合は、警戒した方がよいでしょう。
少しでも怪しいと感じたら素行調査を依頼する
交際相手を少しでも怪しいと感じたら、できるだけ早く探偵に素行調査を依頼しましょう。
結婚詐欺師は、潮時と感じたらすぐに失踪します。自分で交際相手を尾行して住所を突き止めることはおすすめできません。
顔を知られているため、簡単に尾行がバレてしまいます。
すでにお金を貸している状況で尾行がバレた場合、すぐに失踪するでしょう。
探偵は、プロの技術でターゲットを尾行できるうえに、顔を見られても素行調査による尾行だとは気づかれません。
結婚詐欺師の特徴
それでは、結婚詐欺師の特徴を詳しくみていきましょう。
すぐに結婚の話をチラつかせる
結婚詐欺師の目的は、信頼させてお金を騙し取ることです。そのため、出会って間もなく結婚の話をチラつかせたり、結婚前提の交際を求めたりします。
女性としては、結婚するのであれば問題ないと考え、お金を貸してしまいます。
お金を要求する理由が頻繁に変わる
結婚詐欺師は、複数回にわたってお金を要求します。
よく使われる理由は「会社が倒産しそう」、「親が病気で大変」、「結婚式場の費用を支払う」「マンションの頭金を出して欲しい」などです。
複数の理由を用意することで、怪しまれないようにしています。
良い人に見える
結婚詐欺師は、結婚したいと思われる男性を演出しなければなりません。そのため、優しくて物腰が柔らかく、誠実な人に見えます。
多くの女性を騙してきた結婚詐欺師の場合、経験豊富な女性でも見抜くことは困難です。
お金を要求されること自体が怪しいという点に気付かなくてはいけません。
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まとめ
結婚詐欺師は、結婚前提の交際を始めた後、次々と金銭を要求してくることが特徴です。
お金を騙し取りやすくするために、妊娠させて結婚を印象づけるケースもあります。
出会って間もなく結婚前提の交際を申し込まれた場合は、十分に警戒しましょう。少しでも怪しく感じたら、できるだけ早く探偵に素行調査を依頼することが大切です。